声優の遠藤大智さんが、メニエール病と診断されたことを公表されました。
そのニュースを見たとき、私が特に気になったのが、
「低音域が難聴気味」
という言葉でした。
なぜ、この言葉が気になったのか。
それは私自身も、メニエール病を発症したころに「低い音が聞こえづらい」という変化を経験したからです。
私の場合、最初から、
「低音が聞こえなくなった」
とはっきり分かったわけではありません。
最初に気づいたのは、日常生活のなかにある小さな違和感でした。
たとえば、仕事のミーティング。
それまで普通に聞き取れていた男性の声が、急に聞き取りづらくなりました。
そして、もうひとつ。
テレビで音楽番組を見ていると、
「あれ?いつもの曲なのに、なんか変だな……」
と感じるようになったんです。
よく聴いてみると、ベースなどの低い音が以前より聞こえづらくなっていました。
あれから14年。
現在の私は、補聴器を使いながらメニエール病と付き合って生活しています。
今回は遠藤大智さんのメニエール病公表をきっかけに、私自身が経験した「低音の聞こえにくさ」について振り返ってみたいと思います。
この記事でお伝えしたいこと
・低音が聞こえにくいと、日常ではどんなふうに感じるのか
・男性の声が聞き取りづらくなった私の経験
・いつもの音楽が「変」に聞こえた経験
・聞こえ方の変化で仕事中に困ったこと
・14年間メニエール病と付き合ってきて感じること
※この記事で紹介する症状や聞こえ方は、あくまで私個人の経験です。
低い音が聞こえにくい、耳が詰まった感じがする、めまいがするといった症状には、さまざまな原因が考えられます。
「低音が聞こえにくい=メニエール病」ということではありません。
急な聞こえ方の変化やめまい、耳鳴りなどが気になる場合は、自己判断せず耳鼻咽喉科などの専門医へ相談してください。
遠藤大智さんがメニエール病を公表
声優として活動されている遠藤大智さんが、2026年8月21日、メニエール病と診断されたことを公表されました。
報道によると、めまいをきっかけに耳鼻科を受診し、その後、「低音域が難聴気味」でメニエール病が分かったという趣旨の発信をされています。
このニュースを読んだとき、私は他人事とは思えませんでした。
もちろん、遠藤さんの症状と私の症状が同じという意味ではありません。
メニエール病といっても、症状の出方や程度、経過は人によって違います。
それでも、
「低音域が難聴気味」
という言葉を見た瞬間、14年前の自分の聞こえ方を思い出しました。
私自身も、メニエール病を発症したころに「低い音が聞こえづらい」という変化を経験していたからです。
※遠藤大智さんのメニエール病に関する記述は、ご本人がXで公表された内容および報道内容をもとに記載しています。
参考:スポニチアネックス「声優・遠藤大智 メニエール病を公表」
「低音が聞こえづらい」って、どんな感じ?
「低音が聞こえづらい」
そう言われても、経験したことがない人には少しイメージしにくいかもしれません。
私自身も当時、
「低音が聞こえなくなっている」
とすぐに自覚できたわけではありません。
むしろ日常生活のなかで、
「あれ?」
「なんだか今までと違う」
という違和感から、少しずつ気づいていきました。
私の場合は「まったく聞こえない」ではなかった
ここは、私自身の経験として伝えておきたいところです。
私の場合、
「音が完全に消えてしまった」
という感じではありませんでした。
音は聞こえている。
でも、
今までと何かが違う。
そんな感覚でした。
だからこそ最初は、「聞こえが悪くなった」と自分でも気づきにくかったのだと思います。
私が特に違いを感じたのは、
- 男性の声
- ミーティングでの会話
- 音楽のベース音
でした。
今まで普通に聞こえていたものが、以前とは違って聞こえる。
私にとって、この「いつもと違う」という感覚が大きなサインでした。
私が最初に気づいたのは「男性の声」だった
低音が聞こえづらくなって、私が日常生活で特に困ったのが人との会話です。
なかでも印象に残っているのが、
男性の声が聞き取りづらくなったこと。

今まで聞こえていた人の声が聞き取りづらい
仕事では、ミーティングがあります。
発症する前までは、特に意識することなく参加していました。
誰かが話せば、その内容を聞き取る。
それまでの私にとっては、当たり前のことでした。
ところが聞こえ方に変化が出てから、
「男性の声が聞き取りにくいな……」
と感じるようになりました。
今まで普通に聞こえていた声なのに、以前のように入ってこない。
同じような場所。
同じようなミーティング。
それなのに、何かが違う。
これは本当に戸惑いました。
最初は「声が小さいのかな?」と思った
聞こえ方が変化すると、最初は自分の耳に原因があるとは考えにくいものです。
私も、
「今日は声が小さいのかな?」
「話し方の問題かな?」
そんなふうに思うことがありました。
でも、以前なら聞き取れていた状況です。
それなのに聞き取りづらくなっている。
そこで少しずつ、
「もしかして、自分の聞こえ方が変わっている?」
と思うようになりました。
ただ、この段階ではまだ、自分のなかでもうまく説明できません。
「聞こえない」と言い切れるほどでもない。
でも、
確実に以前とは違う。
この微妙な感覚は、周囲に説明するときにも難しいものでした。
ミーティングで感じた「今までと違う」という違和感
仕事のミーティングは、私にとって聞こえの変化に気づきやすい場所でした。
なぜなら、
「以前の自分」と比較できたからです。
初めて会う人だったら、
「この人の声は聞き取りづらいな」
で終わっていたかもしれません。
でも、以前から参加していたミーティングです。
今までなら普通に聞こえていた。
それが、聞き取りづらくなった。
だからこそ、
「何かおかしい」
と感じました。
「聞こえている」と「聞き取れる」は違った
私が経験してきた聞こえの問題は、単純に**「音が小さくなる」だけでは説明しにくい**ものでした。
音そのものは聞こえている。
誰かが話していることも分かる。
でも、
言葉としてうまく入ってこない。
そんな場面もあります。
これは仕事では困ります。
雑談なら聞き逃しても大きな問題にならないことがありますが、ミーティングではそうはいきません。
重要な説明かもしれない。
自分への指示かもしれない。
「聞き逃したくない」
と思えば思うほど、聞くことに集中します。
そして、聞くことに集中すると、それだけで疲れます。
私が長く聞こえの問題と付き合ってきて感じるのは、
聞こえにくさは、単に「音が聞こえない」という問題だけではない。
「聞き取ろうとすること」そのものが負担になる場合もある。
ということです。
音楽番組を見て「いつもの曲と違う」と感じた
もうひとつ、私が低音の聞こえ方の変化に気づいた場面があります。
それが、音楽です。
テレビで音楽番組を見ていたとき、
「なんか変だな……」
と感じました。
流れていたのは、知らない曲ではありません。
いつも聴いている曲です。
だからこそ、違和感がありました。
ベース音が聞こえづらくなっていた
よく聴いてみると、
ベースなどの低い音が、以前より聞こえづらくなっていました。

歌は聞こえる。
曲も分かる。
メロディーも知っている。
でも、
何かが足りない。
いつも聴いていた曲なのに、いつもの曲ではないように感じる。
私の場合は、そんな聞こえ方でした。
曲全体の「厚み」がなくなったような感覚
音楽にはボーカルだけではなく、さまざまな音が重なっています。
そのなかの低い音が聞こえづらくなったことで、私には曲全体の印象まで変わったように感じられました。
「この曲、こんな感じだったっけ?」
そんな違和感です。
言葉で表現するのは難しいのですが、
曲全体の厚みがなくなったような感覚。
と言えば近いかもしれません。
「音が消えた」というより「バランスが変わった」
私自身の感覚をもう少し正確に表現するなら、
「ベース音が完全に消えた」
というより、
「曲全体の音のバランスがおかしくなった」
という表現のほうが近いです。
いつも聴いている曲だからこそ分かる違和感でした。
今振り返ってみると、この経験も、
「自分の聞こえ方が変化している」
と気づくきっかけのひとつだったと思います。
「低音が聞こえにくい=メニエール病」ではない
ここまで私自身の経験を書いてきましたが、とても大切なことがあります。
それは、
低い音が聞こえづらいからといって、必ずメニエール病というわけではない
ということです。
メニエール病では、難聴や耳鳴り、耳が詰まったような感覚などを伴うことがあります。
一方で、低音域の聞こえが低下する状態には、メニエール病以外の原因も考えられます。
そのため、
- 男性の声が聞き取りにくい
- 音楽の低音が変に聞こえる
- 耳が詰まっているように感じる
- 以前と聞こえ方が違う
といった経験だけから、メニエール病かどうかを自分で判断することはできません。
この記事で紹介しているのも、
「私はこう感じた」
という一人の当事者としての経験です。
同じような聞こえ方だからといって、同じ病気とは限りません。
ここは切り分けて考えてほしいと思います。
メニエール病では、難聴や耳鳴り、耳のつまり感などの聴覚症状を伴うめまいを繰り返すことがあるとされています。
一方で、「聞こえにくい」という症状にはさまざまな原因があります。そのため、低音が聞こえづらいという症状だけで、メニエール病だと自己判断することはできません。
私の場合、聞こえの変化だけではなかった
私がメニエール病を発症した当時を振り返ると、聞こえの変化だけではありませんでした。
耳鳴り。
耳の違和感。
そして、強いめまい。
そういった症状を経験しました。
そこから私は、長い期間メニエール病と付き合うことになります。
発症から現在までの詳しい経過については、別の記事でまとめています。
「最初はどんな症状だったのか」
「その後、聞こえはどう変化したのか」
「なぜ補聴器を使うようになったのか」
14年間の流れについて知りたい方は、こちらも読んでみてください。
👉 メニエール病と14年、補聴器までの道
聞こえにくさは周囲から分かりにくい
メニエール病と長く付き合ってきて感じるのは、
聞こえにくさは、外から見ても分かりにくい
ということです。
普通に話している。
普通に仕事をしている。
普通に生活している。
周囲からは、そう見えているかもしれません。
でも本人は、その裏で一生懸命聞き取ろうとしていることがあります。
「聞こえる」と「聞き取れる」は私のなかでは違う
私が聞こえについて説明するとき、難しいと感じることがあります。
それは、
「聞こえるんでしょ?」
と思われやすいことです。
たしかに音は聞こえる。
でも、
会話の内容をきちんと聞き取れるかというと、また別の問題です。

たとえばミーティング。
人が話していることは分かります。
声も聞こえます。
それでも、内容がうまく入ってこないことがある。
何度も聞き返すのは申し訳ない。
だから、さらに集中して聞き取ろうとする。
そんな経験を重ねてきました。
「聞くこと」に疲れる日もある
聞こえにくさを経験する前は、
「聞く」
という行為に、それほどエネルギーを使っているとは思いませんでした。
ところが、聞き取りにくくなると違います。
- 話している人を見る
- 周囲の音から必要な声を探す
- 聞き逃した言葉を前後から推測する
- 集中して聞き続ける
私の場合、こうしたことを繰り返していると疲れてしまうことがあります。
聞こえの問題は、「聞こえる・聞こえない」だけではありません。
日常生活での疲れにつながることも、私は実際に経験してきました。
聞こえ方の変化は仕事にも影響した
男性の声が聞き取りづらくなった経験からも分かるように、聞こえ方の変化は仕事にも影響しました。
特に会議やミーティングでは、
「聞き逃してはいけない」
という気持ちがあります。
そのため、普段以上に集中します。
会議が終わったあと、
「なんだか疲れたな……」
と感じることもありました。
聞こえにくいこと自体も困ります。
でも、それだけではありません。
聞き取るために神経を使い続けること。
これも私にとっては負担でした。
「以前は聞こえていた」が大切な気づきだった
今回、遠藤大智さんの「低音域が難聴気味」という言葉を見て、改めて思ったことがあります。
それは、
「以前の自分と比べること」
の大切さです。
私の場合も、
「男性の声は聞き取りにくいものなのかな?」
だけだったら、気にしなかったかもしれません。
でも、
前は聞こえていた。
という事実がありました。
音楽も同じです。
初めて聴く曲だったら、違和感には気づかなかったかもしれません。
何度も聴いていた曲だったからこそ、
「いつもと違う」
と気づくことができました。
たとえば、
- 前まで聞こえていた声が聞き取りにくい
- テレビの音が以前と違って感じる
- いつもの曲なのに違和感がある
- 耳が詰まったように感じる
- 左右で聞こえ方が違う気がする
こうした変化があれば、「気のせいかな」と決めつけず、自分の聞こえに目を向けるきっかけにしてもいいと思います。
もちろん、こうした症状だけで病名を判断することはできません。
だからこそ、気になる変化がある場合は専門医へ相談することが大切です。
「聞こえがおかしい」と思ったら自己判断しすぎないで
私は医師ではありません。
そのため、
「この症状ならメニエール病です」
「この聞こえ方なら大丈夫です」
といった判断はできません。
ただ、一人の経験者として伝えたいことがあります。
それは、
聞こえ方が急に変わったと感じたときは、その違和感を軽く考えすぎないでほしい。
ということです。
耳の症状は、自分にしか分からない部分があります。
周囲の人から、
「普通に聞こえているように見えるよ」
と言われることもあるかもしれません。
それでも、
「昨日までと違う」
「前より聞き取りにくい」
「片方の耳だけ変な感じがする」
と感じているのであれば、その変化を一度意識してみてください。
特に、急な聞こえ方の変化や耳鳴り、耳のつまり感、めまいなどが気になる場合には、自己判断を続けるのではなく、耳鼻咽喉科などで相談することをおすすめします。
急な聞こえ方の変化や耳鳴り、耳のつまり感、めまいなどが気になる場合には、「そのうち戻るだろう」と自己判断を続けず、耳鼻咽喉科などの専門医へ相談してください。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、片耳の難聴や急に起こった難聴、変化のある難聴、耳鳴りやめまいを伴う難聴などについて、早めに耳鼻咽喉科を受診することを案内しています。
14年経った今、私は補聴器を使って生活している
私がメニエール病を経験してから、14年が経ちました。
発症当時は、
「この先どうなるんだろう」
という不安がありました。
聞こえ方も変わりました。
仕事で困ることもありました。

その後、私は補聴器を使うようになりました。
補聴器を使えば、すべてが発症前と同じになるわけではありません。
それでも、自分なりに聞こえを補いながら生活しています。
このブログでは、メニエール病そのものだけではなく、補聴器を使いながら仕事をしたり、日常生活を送ったりするなかで感じたことも書いています。
同じように聞こえに不安を感じている方にとって、少しでも参考になればうれしいです。
病気と「付き合う」ということ
遠藤大智さんの公表で、もうひとつ印象に残ったのが、メニエール病には**「付き合い方はある」**という趣旨の言葉でした。
私はこの言葉を見て、
「そうだな」
と思いました。
もちろん、症状も経過も一人ひとり違います。
私の14年間を、そのまま別の人に当てはめることはできません。
それでも私は、この14年間で少しずつ「自分との付き合い方」を考えるようになりました。
たとえば、
- 体調が悪いときは無理をしすぎない
- 調子がいいからといって予定を詰め込みすぎない
- 聞こえにくいときは、できる範囲で周囲に伝える
- 必要なら補聴器などの力を借りる
- 自分の体調や聞こえ方の変化を知っておく
発症したころの私は、そんなことまで考える余裕はありませんでした。
でも、14年経った今は、
「病気があるから何もできない」
ではなく、
「病気があっても、自分に合った生活の仕方を探していく」
という考え方になっています。
遠藤大智さんのニュースから14年前の自分を思い出した
今回、遠藤大智さんがメニエール病を公表されたというニュースを見て、14年前の自分を思い出しました。
特に心に残ったのが、
「低音域が難聴気味」
という言葉でした。
私の場合、低音の聞こえにくさは日常生活のなかで気づきました。
仕事のミーティングでは、それまで普通に聞き取れていた男性の声が聞き取りづらくなった。
音楽番組では、いつも聴いている曲なのに何かがおかしい。
ベースなどの低い音が聞こえづらくなり、曲全体が以前とは違うように感じました。
振り返ってみれば、
「今まで普通だったものが、普通ではなくなった」
ことが、自分の耳の変化に気づくきっかけだったのだと思います。
まとめ|「いつもと違う」という感覚を大切に
メニエール病の症状や経過は、人によって違います。
遠藤大智さんの経験と私の経験も、当然同じではありません。
また、低音が聞こえづらいからといって、それだけでメニエール病と判断することもできません。
ただ、今回のニュースをきっかけに、私は14年前の自分の「聞こえ」を改めて振り返ることができました。
私の場合は、
- 男性の声が聞き取りづらくなった
- 今まで聞こえていたミーティングでの会話が聞き取りづらくなった
- いつもの音楽なのに違って聞こえた
- ベースなどの低い音が聞こえづらくなった
という変化がありました。
一つひとつを見ると、小さな違和感かもしれません。
でも、
「前はこんな感じじゃなかった」
という自分自身の感覚は、とても大切だと思います。
聞こえ方の急な変化やめまい、耳鳴りなどが気になる場合には、「そのうち戻るだろう」と自己判断せず、耳鼻咽喉科など専門医への相談を検討してください。
そして今、メニエール病や聞こえの変化に不安を感じながら、この記事を読んでいる方へ。
私は14年前にメニエール病を経験し、その後、補聴器を使う生活になりました。
思い通りにならないこともあります。
聞こえにくくて困る日もあります。
それでも、自分に合った方法を探しながら生活を続けています。
このブログでは、これからもメニエール病や補聴器との暮らしについて、実際に経験したからこそ分かったことを書いていきたいと思います。
同じような悩みを抱えている方に、
「自分だけじゃないんだ」
と思ってもらえる記事を、これからも残していけたらと思っています。
▼今日のひとこと
「いつもと違う」と気づけるのは、毎日自分の体と付き合っている自分だからこそ。
無理に頑張りすぎず、今日も自分のペースでいきましょう。

