最近、とても印象に残るインタビューを見かけました。
女優・菅野美穂さんが、「いまは仕事より家族を優先している」と、はっきりと語っていたのです。
子育てとの両立、時間の使い方、仕事への向き合い方。
あれだけ第一線で活躍していた彼女が「家庭を優先したい」と話す姿に、どこか安心する気持ちを抱いた人も多いのではないでしょうか。
そしてふと、自分の働き方にも思いを巡らせました。
「あのまま走り続けていたら、どうなっていただろう」
「立ち止まったのは、失敗じゃなかったかもしれない」
この記事では、菅野美穂さんの言葉をきっかけに、私自身の働き方がどう変わってきたかを振り返りながら、「価値観が変わる瞬間」について考えてみたいと思います。
◆ 菅野美穂さんの“静かな転換”がくれた安心感
テレビで見るたびに、「いつも自然体だな」と感じていた菅野さん。
けれど、彼女の女優人生は、常に順風満帆だったわけではないそうです。
母親となったいまは、以前のようなペースで作品に出演することは少なくなり、限られた時間でできる範囲の仕事を選んでいるとのこと。
「いまの私は“母”としての自分を優先したい」
そう語る姿に、どこか救われるような思いがしました。
“仕事命”で走り続けることだけが正解ではない。
“やりたいこと全部やる”だけが、かっこいいわけでもない。
そんなふうに、ゆっくりと価値観を更新するきっかけをくれたような気がします。
◆ 私の働き方にも転機があった
少しだけ、自分の話をさせてください。
以前の私は、営業職に就いていました。
11時に帰宅するのが当たり前、休みも連絡が鳴る毎日。
「まだ若いんだから、がんばり時でしょ」と自分に言い聞かせ、身体に無理をさせていたと思います。
でもある日、体調がガクッと崩れました。
めまいや耳鳴りが続き、検査の結果「メニエール病」と診断されました。
それを機に「このままの働き方では、自分の人生が壊れてしまう」と感じ、思い切って部署異動を願い出たのです。
いわゆる“バックオフィス”と呼ばれる、比較的落ち着いた業務への転向でした。
◆ キャリアを“緩める”ことへの葛藤
異動後の数カ月は、どこかモヤモヤしていました。
「営業に戻らないの?」「もったいないね」
そんな言葉に、心が揺れることもありました。
でもある時気づいたんです。
“キャリアを緩める”ことと、“キャリアを捨てる”ことは違う、ということに。
私は、自分の体調を整えるために働き方を変えました。
「健康に生きる」という人生の土台を守るために、バランスを取りにいったんです。
それは決して“後退”ではなく、“再構築”だったのだと、今は思えます。
◆ 人生のフェーズで、優先順位は変わっていい
働き方って、何も一生同じじゃなくていいと思うんです。
独身のときは「とにかく実績を出したい」と思うかもしれないし、
結婚して家庭ができれば「家族との時間を優先したい」と思うかもしれない。
病気や介護をきっかけに、「自分を整える時間がほしい」と感じることもあるでしょう。
それらはすべて、自然な変化です。
変わっていくのは“甘え”ではなく、“成熟”なのかもしれません。
菅野美穂さんもきっと、変わっていく日々の中で、
「いまはこれが自分にとって大切」と感じたのだと思います。
◆ 「仕事がすべて」ではないと気づいたとき
キャリアに熱中していた頃の私は、「働く=人生そのもの」だと思っていました。
でも、健康を崩したことで見えた景色は、まったく違うものでした。
・朝ゆっくり目覚められる幸せ
・ちゃんと夕飯を味わえるありがたさ
・週末に家族と過ごせる時間の貴重さ
そんな日々の小さな豊かさが、私にとっての“本当の幸せ”なのかもしれないと、気づけたのです。
菅野美穂さんの言葉が刺さったのは、
「そうだよね、家族も自分も大事だよね」と、私の中の“納得”と重なったからなのかもしれません。
◆ いまの自分に合った“働き方”を選ぶ勇気
「仕事を辞める」とか、「部署を変える」とか、
そんな大きな決断じゃなくてもいいと思います。
少し時短にする。
在宅勤務に切り替える。
副業やブログで“自分の言葉”を大切にする。
そんな“小さなカスタマイズ”こそが、今の時代に合ったキャリア設計なのかもしれません。
◆ さいごに:がんばりすぎていた自分に伝えたい
あの頃の自分は、“止まったら終わり”だと思っていた。
“抜け道なんてない”と思っていた。
でも今は、“止まってもいい”“ゆっくりでいい”と、そう言ってあげられます。
そして、同じように悩んでいる人がいたら伝えたい。
「あなたの人生は、あなたのペースでいい」
家庭や健康を優先することは、逃げじゃない。
立ち止まることは、前に進む準備期間なんです。
菅野美穂さんの言葉を借りるなら、
「いまは仕事より家族を優先したい」
そんな働き方が、もっと肯定される社会であってほしいと思います。
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